「レースの結果を事前に知っている」「確実に当たる情報がある」。
このような誘い文句で始まる競馬情報や競馬予想サイトの詐欺被害が急増しています。
警察庁の発表によると、令和6年10月末時点での競馬詐欺を含めた特殊詐欺の認知件数は16,398件(前年同期比+762件)、被害総額は487.1億円(前年同期比+139.4億円)に上り、前年同期と比べて40.1%も増加しています。
競馬で一攫千金を夢見る人々を狙う詐欺の手口は年々巧妙化。「JRA公認」を騙る手口から、SNSを使った若者狙いの新手の手口まで、その形態は多様化しています。
本記事では、JRAが警告する最新の詐欺手口や実際の事例から、被害に遭わないための対策、そして万が一被害に遭ってしまった場合の具体的な被害対応まで、徹底的に解説します。
また、実際の資料を参考に資料の提示もしております。
ライトストーン法務事務所では、これまでに2000件以上の詐欺被害の解決実績があります。
その経験を活かし、競馬詐欺の最新動向から具体的な対処法まで、必要な情報を網羅的にお伝えします。
下記までお電話ください(スマホの方はタップで通話できます)
- 競馬情報詐欺とは
- 競馬情報サイト詐欺の8つの手口を徹底解説【要注意】
- 最新競馬サイト詐欺被害事例
- 競馬情報詐欺サイトを見抜く6つのチェックポイント
- 競馬詐欺被害の解決方法
- 競馬詐欺についてよくある質問(FAQ)
- まとめ:競馬を安全に楽しむために
競馬情報詐欺とは
競馬情報詐欺とは、「絶対に当たる情報がある」「レース結果が事前に分かっている」「JRAの極秘情報を入手した」などと称して、高額な情報料や投資ソフトの購入を迫り、お金を騙し取る犯罪行為です。
日本中央競馬会(JRA)は公式サイトで、このような詐欺の存在を強く警告しています。
JRAが特に注意を促しているのは、「JRA公認」を騙る手口や、「前もって結果が決まっているレースがある」といった虚偽の宣伝文句を使用するケースです。
JRAは明確に「前もって結果が分かるレースは存在しない」「JRAやその関係団体が直接競馬予想の勧誘を行うことは一切ない」と述べており、このような勧誘を受けた場合は、100%詐欺だと考えて間違いありません。
近年では手口が巧妙化し、SNSを活用した若者向けの勧誘や、AIを活用した投資システムを装うなど、新たな形態も確認されています。
そこで、競馬詐欺の手口について解説します。
競馬情報サイト詐欺の8つの手口を徹底解説【要注意】
競馬詐欺の手口は年々巧妙化しています。
JRAと警察が特に注意を呼びかけている8つの主要な詐欺手口について、具体的な事例と対策を解説します。
JRA公認詐称詐欺
JRAのロゴや公式サイトへのリンクを無断で使用し、あたかもJRAが公認している競馬予想会社を装う手口が広がっています。
詐欺グループは、JRAのロゴマークを無断使用したり、公式サイトへのリンクを掲載したりすることで信頼性を演出します。
多くの場合、「JRA公認の予想会社」と謳い、JRAの関係団体を装った勧誘メールを送信してきます。
実際、JRAの公式サイトでは以下の事例が上がっています。
- 『JRA公認』をかたり、JRAホームページのリンクやJRAのロゴマークなどを添付した広告・宣伝・勧誘を行っている
- あたかもJRAの関係団体と思わせる団体から情報提供を受けているとの広告・宣伝・勧誘を行っている
- 『絶対的中する』との広告・宣伝・勧誘を行い、次々に高額な情報料を請求する
- 『前もって結果が分かっているレースがある』との広告・宣伝・勧誘を行っている
- 一般人や善意の第三者を装い、悪質な予想・情報提供業者への誘導を行っている など
引用元) JRA公式
しかし、公式サイトが述べるようにJRAは競馬予想サービスを一切公認していませんし、JRAやその関係団体が直接予想の勧誘をすることも一切ありません。
SNS勧誘詐欺
InstagramやX(旧Twitter)などのSNSを利用し、若年層を中心に被害が拡大している新しいタイプの詐欺が急増しています。
競馬関係者を装ったアカウントが高額的中実績を投稿し、非公開アカウントから高評価コメントを付けることで信頼性を高めようとします。
「#競馬予想」「#競馬好きと繋がりたい」「#競馬女子と繋がりたい」などのハッシュタグを多用し、一般の競馬ファンの目に留まりやすくする手法を取っています。
投稿内容が画一的で、コメント欄が架空アカウントばかりの場合は要注意です。
情報商材詐欺
「必勝法」や「投資競馬システム」と称して、高額な情報商材やソフトウェアを販売する手口が横行しています。
「プロ競馬者が開発した必勝法」「AI搭載の予想システム」「驚異の的中率98%」といった非現実的な謳い文句を使用し、高額な情報商材の購入を促します。
以下の契約書例は、実際の競馬詐欺被害で使用された契約書を基に作成しています。
このように一見すると適切な法的要件を満たした契約書のように見えますが、実際には購入後にまったく役に立たない情報が送られてくるか、あるいは何も送られてこないケースがほとんどです。
また、被害者を安心させるため、利用規約へのチェックや押印を求めることがあります。
以下は、実際の詐欺事例で使用された利用規約を参考に作成したものです。
ここで示した利用規約は、詐欺グループが法的責任から逃れるために巧妙に作成された書面です。
正当な契約であるかのように装っていますが、これは被害者を騙すための形式的な文書に過ぎません。
実際の取引では、このような契約書の存在にとらわれず、取引内容自体の信頼性を慎重に判断することが重要です
八百長・談合詐欺
「レース結果が事前に決まっている」「八百長レースの情報がある」と持ちかける古典的な手口は、今でも後を絶ちません。
「騎手会からの内部情報がある」「生産者の救済レース」「政財界の大物が関与している」といった誘い文句で、高額な情報料を請求してきます。
JRAは前もって結果が決まっているレースは一切存在しないと明確に否定しています。
『絶対に当たる』情報は存在しません。また、不正なレースを行うことは競馬法で固く禁じられており、レースは厳しい監視のもとで行われています。
絶対に当たるなどといった広告・宣伝・勧誘に騙されないよう、くれぐれもご注意ください。
なお、個人情報等を取得するために、悪質業者が運営しているサイトへの誘引を図る勧誘メールを不特定多数の方に配信するケースも考えられますのでご注意ください。引用元)JRA公式
また、JRAが競馬の公正性をいかに重視しているかを示す象徴的な事例として、2023年に発生した藤田菜七子騎手の処分があります。
藤田騎手は、調整ルーム(騎手が待機する部屋)にスマートフォンを持ち込み、通信を行っていた事実が発覚。これは外部との通信を厳格に制限することで八百長や不正を防止するJRAの規定に違反する重大な非行として扱われました。
具体的には、2023年4月頃まで複数回にわたり、調整ルーム内でスマートフォンを使用して外部との通信を行っていたことが週刊誌の報道により明らかになりました。JRAによる事情聴取で本人もこの事実を認め、2024年10月11日から裁定委員会の判断が出るまでの騎乗停止処分が下されました。
この処分は、たとえ日本を代表する女性騎手であっても、八百長の可能性をわずかでも想起できるような騎手のスマホの持ち込みという公正性の疑義に関わる違反には厳格に対処するというJRAの姿勢を示しています。
サクラレビュー詐欺
ブログやSNSで一般ユーザーを装い、特定の予想サイトを高評価するサクラ行為が蔓延しています。
個人ブログでの高評価レビューや的中実績の詳細な紹介、さらには架空の審査機関による「優良認定」を掲載するなど、手の込んだ手口を使用します。
複数のサイトで同じような文章や評価が使われていることが多いため、注意が必要です。
的中実績詐欺
実際の的中馬券や証明書を使用して信用を獲得し、高額な情報料を請求する手口も確認されています。
高額配当馬券の画像掲載や万馬券的中証明書の提示、時には実際の的中馬券を送付してくるケースもあります。
しかし、的中実績が本物だとしても、それは過去の一部の結果でしかなく、将来の的中を保証するものではありません。
さらに、高度な方法として、業者間で裏で連携して的中実績を各々伝えるやり方もあります。
返金事例:50代・男性「被害・請求額87万円 ▶ 回収額60万9000円(約70%回収)」
複数の競馬予想会社から次々と勧誘を受け、総額85万円の被害に遭いました。
被害はA社という会社からの一通の手紙から始まりました。男性が登録すると、B社から電話がかかってきます。担当者は「A社の情報は当たりません。当社の特殊な馬券情報なら必ず儲かります」と告げ、2万円の情報料を要求。
支払いに応じると案の定、その情報は外れます。しかしその直後から、別の会社から次々と手紙が届き始めました。C社から25万円、D社から10万円、E社から30万円、F社から20万円と、立て続けに情報料を請求されたのです。
各社の担当者は電話で「必ず儲かります」「絶対に勝てます」と断言。しかし、高額の情報料を支払っても、提供される情報は全て外れ続けました。
幸いにも男性は司法書士に相談。調査の結果、これらの会社が実は系列会社であることが判明し、支払った金額の70%を取り戻すことができました。
お金を支給いただけるなら手数料を払っても大丈夫なはずだと思って、何度も支払ってしまいました。
今回はお金が返ってきましたが、これからは石田先生が仰るようにうまい話には気をつけます。ありがとうございました。
キャンペーン当選詐欺
架空のキャンペーン当選を騙り、手続き費用などの名目でお金を詐取する手口もあります。
応募していないキャンペーンの当選通知が届き、賞品受け取りのための手数料を請求してきます。
支払いに応じると、さらに追加費用を要求されるケースが見られます。
JRAの公式には以下のような事例が記載されています。
・突然、JRAの関係団体を名乗る宛先から、応募していないキャンペーンの当選通知が届いた。高額な当選金を受け取るためには手続き費用が必要だと案内されたため、記載された金額を振込んだが、一向に当選金額が振込まれることはなかった。
・「お客様への還元施策の一環として、的中馬券を送付する。」との案内書が、あたかもJRA職員と関係があるような団体を名乗る宛先から届いた。的中馬券を受け取るためには手数料が必要との案内があったため、記載された金額を振込んだところ、その後も追加手続き費用として次々に現金の振込みを要求された。
しかし、一向に的中馬券は届かなかった。引用元)JRA公式
JRAは、応募のないキャンペーン当選の通知や、賞品受け取りのための費用請求は一切行っていないことを明言しています。
JRAやJRAの関係団体が、応募されていないキャンペーンに関してご案内することや、当選した賞品を受け取るための費用を請求することはございません。
また、勝馬投票券や現金を賞品とするキャンペーンは行っておりません。引用元)JRA公式
全額返金保証詐欺
競馬予想サイトで「全額返金保証」という宣伝文句をたまに見かけます。
しかし、これは注意が必要なサインの一つです。
信頼できる競馬予想サービスは、たとえ予想が外れても返金保証は行わないのが一般的です。
なぜなら、本当に質の高い情報を提供している会社は、自社のサービスに自信があるため、返金保証をエサにする必要がないからです。
反対に、返金保証を大々的に謳う会社は、その保証がなければ会員を集められないような、信頼性の低いサービスであることが多いのです。
さらに悪質なケースでは、「全額返金」と謳いながら、実際に返還されるのは現金ではなく、サイト内でしか使えない「ポイント」というケースも報告されています。
そのポイントは他の情報購入にしか使えず、実質的な返金にはなっていないのです。
このように「全額返金保証」は、むしろ悪質なサイトの特徴の一つと言えます。
こうした謳い文句に惑わされないよう、返金の具体的な条件や方法を必ず確認することが重要です。
最新競馬サイト詐欺被害事例
競馬詐欺の手口は年々巧妙化し、その被害は拡大を続けています。
ここでは、当ライトストーン法務事務所で実際に解決に至った被害事例をご紹介します。
これらの事例から、最新の手口と対策のポイントを学んでいただければと思います。
返金事例:20代・女性「被害・請求額59万円 ▶ 回収額36万円(約61%回収)」
副収入が欲しくて、副業サイトや稼いでいる方のSNSをフォローして調べていました。そんな時に、こういう女性になりたいと思えるような人をインスタで見つけたんです。稼いでいて、考え方も学ぶことが多くて「上手くいく人ってこんな感じなんだ」と尊敬したりして。
それでアカウントをフォローして、いろいろな投稿にいいねをしているうちにDMが来て、嬉しくて舞い上がりました。その後、話を聞くと「競馬で稼いでいる」と教えてくれて興味を持ちました。
「競馬はギャンブルではない」「情報があれば稼げる」という言葉を信じて、未来に投資したつもりで有料情報を購入したのですが、ぜんぜん稼げなくて、元気もなくなり困っていました。
私の様子を心配した友人に話をしたところ、騙されていることに気づかせてくれて、石田先生に対応をお願いをしました。今は返金されたこと、悩みの原因がなくなったことに安心しています。
この事例は、SNSを使った最近の競馬詐欺の典型的な手口を示しています。
特に若い女性をターゲットにした手法が巧妙化しており、以下のポイントは、被害を防ぐために特に注意が必要です。
SNSを利用した巧妙な信頼関係の構築
この事例で最も特徴的なのは、詐欺グループがSNS、特にInstagramを使って時間をかけて信頼関係を築いている点です。
「稼いでいる女性」という憧れの存在を演出し、被害者が自発的にフォローやいいねをするのを待ってDMを送信するという手法を取っています。
これは、広告や勧誘ではなく「自然な出会い」を装うことで、被害者の警戒心を解くための計算された戦略といえます。
「投資」というワードを使った心理操作
被害者の心を掴むために「競馬はギャンブルではない」「情報があれば稼げる」という言葉を使用しています。
これは、ギャンブルに対する罪悪感や不安を取り除き、あたかも正当な投資のように思わせる巧妙な心理操作です。
「未来への投資」という考え方を植え付けることで、高額な情報料の支払いへの抵抗感を下げる効果があります。
孤立させて被害を拡大させる手法
被害者は「元気もなくなり困っていた」状態になっており、これは詐欺グループの狙い通りの展開です。
被害者を精神的に追い込み、周囲に相談できない状態に追い込むことで、被害の発覚や解決を遅らせる効果があります。
この事例では幸いにも友人の介入があり、早期解決につながりましたが、多くの場合、被害者は誰にも相談できずに被害が拡大していきます。
被害を防ぐためには、SNSでの「理想的な成功者」の投稿には特に注意を払い、「投資」や「確実」といった言葉に惑わされないことが重要です。
返金事例:30代・男性「被害・請求額110万円 ▶ 回収額40万円(約36%回収)」
副業を探している時に競馬予想サイトのことを知りました。競馬情報サイトに無料登録したのは、競馬に興味があったこと、副業で収入を増やしたいと思っていたことがあります。
ずっと競馬予想サイトを見ていると「自分でも稼げるのではないか」と思えてきて、どんどん賭けてしまいました。
負ければ負けるほど、取り返そうという気持ちが強くなって、気づいたら100万以上も使っていることに気づいてショックで。馬券代を入れるともっとです。
さすがに怪しいと思って調べていくと騙されているとわかって。泣き寝入りはしたくなかったので、お金を取り戻せて良かったです。
この事例は、競馬予想サイトを利用した典型的な被害パターンを示しています。
無料登録から有料情報の購入、そして大きな損失に至るまでの過程には、詐欺グループの計算された手口が見られます。
以下、詳しく見ていきましょう。
「無料登録」という入り口作戦
初めは無料登録から始まり、競馬予想サイトを継続的に見せることで「自分でも稼げる」という期待を徐々に植え付けています。
これは、被害者の警戒心を段階的に解いていく典型的な手法です。
無料会員から有料会員への誘導を自然な流れに見せかけ、被害者が自ら判断したかのように思わせる巧妙な心理操作が行われています。
損失を取り戻そうとする心理を利用
負けが込むと「取り返そう」という心理が働き、より高額な情報を購入してしまうという悪循環に陥っています。
この事例では100万円以上の被害が発生していますが、これは偶然ではなく、人間の「損失回避」という心理を巧みに利用した結果です。
この「取り返そう」という心理は、ギャンブル依存の主要な要因の一つとしても知られています。
馬券代と情報料の二重の損失
情報料の支払いに加えて、馬券購入代金という二重の出費が発生しているのが特徴です。
予想サイトは的中しない情報を提供し続けることで、被害者に馬券購入を促し、情報料と馬券代の両方で損失を重ねさせています。
この二重の損失により、被害額は当初の想定をはるかに超える規模になってしまいます。
このケースは、競馬予想サイトを利用した詐欺の典型的な被害パターンを示しています。無料登録から始まり、徐々に高額な支払いへと誘導されていく過程は、多くの被害事例に共通して見られる特徴です。
返金事例:20代・女性「被害・請求額87万円 ▶ 回収額87万円(100%回収)」
マッチングアプリで知り合った女性Aに、友人を紹介したい。その友人は、資産運用みたいな感じでお金が少しずつ貯まる方法があるという話をされました。同性ということもあり「全然断ってくれても大丈夫」と言われたため、後日話を聞きに行くことになりました。
マンションの一室で話を聞くと、「馬券を自動投票するもので、マイナスの時もあればプラスの時もある。けれど継続していれば数年後には、必ずプラスになっていく」という話です。
私はそんなに上手い話がないと思い、断ったのですが、それをきっかけに相手の口調も少しずつ荒くなり…。密室という空間と、相手が二人ということもあり、怖くなって泣く泣く消費者金融にお金を借りて、ソフトの契約に至りました。
競馬ソフトを1ヶ月間運用して収支はマイナスでした。やはり不安になり、サポートセンターに聞いてみても、答えは「続けていけば必ず収支は出てくる」「毎回バージョンを更新しているから、今後プラスになる」との一点張りでした。また、クーリングオフ期間も経過していました。
そこで同様な詐欺被害にあっている人はいないかと探していたら、石田様のサイトを見つけ、今回相談させていただきました。満額返金されてよかったです。
この事例は、マッチングアプリを入り口とし、対面での強要によって高額なソフト購入を迫る新たな手口を示しています。
なお、マッチングアプリからの競馬詐欺については「【2024年最新版】これ競馬投資詐欺?マッチングアプリでの競馬投資ソフト契約は詐欺の可能性あり「手口と返金事例」を徹底解説」も併せてご覧ください。
以下、本事案の特徴的な3つのポイントを詳しく解説します。
入念に計画された信頼関係の構築
マッチングアプリで知り合った「女性」を介して友人を紹介するという手法を用いています。
同性からの紹介という形を取ることで安心感を与え、「断っても大丈夫」という言葉で相手の警戒心を巧みに解いています。
これは、被害者の心理的な抵抗を最小限に抑えるよう計算された手口です。
密室での心理的圧迫
マンションの一室という密室空間で、二人がかりで説明を行うという状況を作り出しています。
断ると相手の態度が豹変し、心理的圧迫を加えるという典型的な強要商法です。
被害者は恐怖を感じながらも、その場の雰囲気から逃れられず、消費者金融からの借入れまで追い込まれています。
サポートを装った長期的な引き延ばし
「自動投票システム」という名目で、あたかも資産運用のような説明を行い、損失が出ても「続ければ必ず収支は出てくる」「バージョン更新で改善される」と説得を続けます。
これは、クーリングオフ期間を経過させるための時間稼ぎであり、被害の回復を遅らせる悪質な手法です。
このケースは、対面での強要と心理的圧迫を組み合わせた新しいタイプの詐欺手口を示しています。マッチングアプリの普及に伴い、このような手口による被害は今後も増加する可能性があり、特に注意が必要です。
返金事例:30代・男性「被害・請求額88万円 ▶ 回収額88万円(100%回収)」
マッチングアプリで知り合った女性Aと食事に行きました。会話の中で女性Aが、過去にお金がなく困っているときに、幼馴染から教えてもらった定期預金のようなものが助けてくれたと聞きました。
2度目のデートでは、女性Aの提案でライブを見に行く約束をしたのですが、チケットを幼馴染からもらうため、ライブに行く前に少しだけ会うことになったんです。
デート直前には、女性Aの幼馴染から「せっかくなので定期預金のようなものを教えてくれる」と言われたので、さすがに怪しいと思いました。
当日、実際に話を聞くと「競馬の自動投票は、資産家やお金持ちの方向けだから若い人に話すのは珍しい」「多くの人が利用したら、プラスになった時のお金が減るので、ほかの子には教えないで」という言葉から、勧誘系やマルチ商法ではないと思い、信じてしました。
しかし、家に帰って調べてみると詐欺だとわかりショックでした。クーリングオフに対してもまともに対応してくれないので、ネットで調べて石田先生に依頼しました。ショックでしたけど、クーリングオフにより全額回収できて良かったです。
この事例は、マッチングアプリで出会いを装い、段階的に信頼を築いて投資詐欺へと誘導する巧妙な手口を示しています。
入念な信頼関係の構築
手口は複数のステップで慎重に組み立てられています。
まず食事でのカジュアルな会話から始まり、「過去の経験談」という形で投資話を自然に持ち出しています。
さらにライブのチケットという餌で2回目のデートを約束し、被害者の警戒心を巧みに解いています。
これは、「デート」という状況を利用した計画的な信頼構築といえます。
希少価値を演出した勧誘手法
「資産家向けの商材」「他の人には教えない」という言葉で、特別な機会を演出しています。
この「限定性」や「秘密の共有」という要素は、被害者の判断力を鈍らせる効果があります。
また、「若い人に話すのは珍しい」という言葉で、警戒心をさらに低下させる心理操作を行っています。
「定期預金」を装った誤認誘導
競馬の自動投票システムを「定期預金のようなもの」と表現することで、ギャンブルではなく安全な金融商品であるかのように印象付けています。
このように、リスクの高い投資を安全な金融商品に見せかける手法は、詐欺の常套手段です。
このケースは、マッチングアプリを入口としたタイプの詐欺の典型例を示しています。出会いを装った自然な流れの中で、被害者の警戒心を徐々に解いていく手口は、特に若い世代をターゲットとしており、今後も類似の被害が予想されます。
返金事例:20代・女性「被害・請求額59万円 ▶ 回収額36万円(約61%回収)」
副収入が欲しくて、副業サイトや稼いでいる方のSNSをフォローして調べていました。そんな時に、こういう女性になりたいと思えるような人をインスタで見つけたんです。稼いでいて、考え方も学ぶことが多くて「上手くいく人ってこんな感じなんだ」と尊敬したりして。
それでアカウントをフォローして、いろいろな投稿にいいねをしているうちにDMが来て、嬉しくて舞い上がりました。その後、話を聞くと「競馬で稼いでいる」と教えてくれて興味を持ちました。
「競馬はギャンブルではない」「情報があれば稼げる」という言葉を信じて、未来に投資したつもりで有料情報を購入したのですが、ぜんぜん稼げなくて、元気もなくなり困っていました。
私の様子を心配した友人に話をしたところ、騙されていることに気づかせてくれて、石田先生に対応をお願いをしました。今は返金されたこと、悩みの原因がなくなったことに安心しています。
近年、SNSを利用した競馬詐欺の被害が急増しています。
特に若い女性をターゲットにした手口は巧妙化しており、「理想の女性像」を演出して被害者を誘い込むケースが後を絶ちません。
以下この事案のポイントです。
SNSを利用したロールモデルの演出
この事例では、Instagramで「成功している女性」という理想像を巧妙に演出しています。
「稼いでいて、考え方も学ぶことが多い」という印象を与えることで、単なる金銭的な成功だけでなく、人生の先輩としての信頼感も醸成しています。
被害者が自らフォローし、いいねを重ねることで、より強い心理的な結びつきを形成するという手法が使われています。
投資商品として競馬を偽装
「競馬はギャンブルではない」「情報があれば稼げる」という言葉で、ギャンブルのリスクを否定し、確実な投資手法であるかのように装っています。
特に「未来への投資」という表現を用いることで、被害者の将来への希望に付け込む形で有料情報の購入を促しています。
精神的な孤立を誘導
情報が当たらないことで被害者は元気をなくし、精神的に追い込まれていきます。
この状態は、詐欺グループが意図的に作り出すものであり、被害者を周囲から孤立させることで、被害の発覚や解決を遅らせる効果があります。
幸いなことにこの事例では、友人が早期に気づいて対応できましたが、多くの場合、被害が長期化・深刻化するリスクがあります。
このケースは、SNSの特性を巧みに利用した詐欺手口を示しています。特に若い女性をターゲットに、理想の生き方やキャリアを見せかけて信頼を獲得し、最終的に競馬情報詐欺へと誘導するという手口は、今後も増加が予想されます。
ニュースになった競馬詐欺の事例について
2011年1月26日付の日本経済新聞は、以下の競馬詐欺事件を報じています。
大阪府警と兵庫県警は、虚偽の競馬情報を提供して現金をだまし取ったとして、競馬情報提供会社の関係者8名を詐欺容疑で逮捕しました。被害の手口は、ダイレクトメールで「元競馬関係者の情報ルートがある」「競馬関係者が勝馬について密約を交わした情報を提供する」などと虚偽の情報を送りつけ、電話で勧誘するというものでした。この手口により、70代男性や64歳の女性から、それぞれ約190万円をだまし取っていました。特に兵庫県警が摘発したグループは、全国約200人から総額約4000万円を集金していたことが判明。組織的な詐欺行為が行われていたことが明らかになっています。
この事案から見える2つの重要ポイントについて解説します。
組織的な詐欺の実態
この事件では、東京を拠点とする複数のグループが、全国規模で組織的な詐欺行為を展開していたことが明らかになりました。
一つのグループだけで約200人から4000万円を集金していた事実は、競馬詐欺が個人的な犯罪ではなく、計画的で組織的な犯罪として行われていることを示しています。
情報操作による巧妙な手口
「元競馬関係者からの情報」「密約を交わした情報」といった言葉を使い、あたかも内部情報があるかのように装う手口が使われています。
特に、最初にダイレクトメールを送り、その後電話で勧誘するという段階的なアプローチにより、被害者の警戒心を徐々に解いていく手法は、現在でも多く見られる典型的な詐欺の手口です。
このケースは、被害者の年齢層も64歳から70代と、比較的高齢者を狙った傾向が見られます。
競馬情報詐欺サイトを見抜く6つのチェックポイント
JRAが警告する競馬詐欺の被害は年々増加しています。
被害を防ぐため、詐欺のおそれのある怪しい競馬予想サイトの見分け方のポイントを6つ詳しく解説します。
会社概要の確認
正規の競馬予想サイトは、必ず会社名や所在地、連絡先などの情報をテキストで明確に表示しています。
しかし詐欺サイトでは、会社概要を画像やイラストで表示したり、「運営事務局」など曖昧な表記を使用したりすることがあります。
これは企業情報を検索エンジンから隠すためのテクニックです。
振込先の確認
信頼できるサイトは、会社名義の口座で料金を受け付けています。
一方、詐欺サイトでは「決済代行会社」の口座を使用したり、個人名義の口座への振込みを要求したりすることがあります。
振込先が実在の会社名義でない場合は、要注意です。
サイトの表面的な特徴
悪質なサイトには、不自然に長いURLや競馬関連キーワードを無理に詰め込んだドメイン名が使われていることが多いです。
また、海外サーバーを使用していたり、LINEでの登録しか受け付けていなかったりする場合も危険信号です。
支払い方法の確認
後払い制度を採用しているサイトには特に注意が必要です。
的中しなかった場合でも高額な請求をされる可能性があります。
信頼できるサイトは、料金体系を明確に示し、前払い制を採用しています。
的中実績の表示方法
毎週のように巨額の的中実績を派手に宣伝するサイトは、詐欺サイトの可能性が高いです。
優良サイトは、過度な宣伝をせず、予想の根拠やロジックを丁寧に説明する傾向があります。
実績を証明する具体的な証拠が示されていないサイトは避けるべきです。
的中後の対応
悪質なサイトは、的中後に「より確実な情報がある」と称して高額コースへの移行を勧めたり、的中金額の一部を報酬として要求したりします。
正規のサイトでは、的中後にこのような追加の要求をすることはありません。
競馬詐欺被害の解決方法
競馬詐欺の被害に遭った場合、早期の対応が解決への近道です。
以下、具体的な解決方法と相談先をご紹介します。
競馬詐欺の返金については「競馬詐欺で失ったお金、返金の可能性あり!ライトストーン法務事務所所長が実例とともに解説」でも詳しく説明しているのでこちらも併せてご覧ください。
相談先の選び方
競馬詐欺の被害に遭った際、解決方法は大きく2つに分かれます。
被害者の多くは「犯人の検挙」と「お金の返還」の両方を望まれますが、これらは別々の機関に相談する必要があります。
警察は詐欺グループの特定・逮捕を目的とした捜査を行います。
被害届を提出することで、同様の被害の防止や、詐欺グループの検挙につながる可能性があります。
ただし、重要な注意点として、警察は返金交渉を行いません。
つまり、支払ってしまったお金を取り戻すことはできないのです。
そのため、お金の回収を望む場合は、別途、法律の専門家への相談が必要になります。
お金を取り戻すためには、司法書士や弁護士に相談することが効果的です。
法律の専門家は、詐欺グループへの返金交渉や民事訴訟の提起、債権者破産の申立て、被害回復給付金の申請サポートなど、様々な法的対応が可能です。
ライトストーン事務所では、これまでに2000件以上の詐欺被害の解決実績があります。特に競馬詐欺については、業者の手口や交渉のポイントを熟知しており、高い返金率を実現しています。
被害に気づいた場合は、警察と法律の専門家の両方に、できるだけ早く相談することをお勧めします。
特に返金に関しては、時間が経過するほど解決が困難になる傾向があります。
当事務所では、24時間無料相談を受け付けています。
被害の状況を詳しくお聞きした上で、最適な解決方法をご提案させていただきます。
競馬詐欺被害の具体的な解決方法
競馬詐欺の被害に遭った場合、まず被害の全容を把握し、適切な対応を取ることが重要です。
以下、具体的な解決手順をご説明します。
証拠保全について
まずは被害の証拠を可能な限り収集・保存することから始めます。
サイトやSNSでのやり取り、メールのスクリーンショット、振込明細書などの支払い記録、電話での会話内容メモや通話履歴など、取引に関連するすべての記録を保管してください。
特に重要なのが、業者の「会社情報」や「特定商取引法に基づく表記」のスクリーンショットです。
具体的には以下の内容があります。
・会社名 ・代表者 ・所在地 ・連絡先 ・販売価格 ・支払い方法や時期について ・送料について ・商品引き渡し時期 ・返品・交換・キャンセル表記 |
これらは後の法的手続きにおいて重要な証拠となります。
業者とのやりとり中止
次に、業者との一切のやり取りを中止します。
多くの場合、業者は「新たな情報がある」「損失を取り戻せる」などと持ちかけ、さらなる支払いを要求してきます。
これに応じると被害が拡大する可能性が高いため、業者からの連絡には一切応じないようにしましょう。
その上で、専門家への相談を行います。警察への被害届の提出と並行して、司法書士や弁護士への相談を行うことで、返金に向けた具体的な手続きを開始できます。
特に返金交渉は専門的な知識と経験が必要となるため、できるだけ早期に法律の専門家に相談することをお勧めします。
専門家への相談
法律の専門家は、まず業者への内容証明郵便の送付から始め、業者の対応に応じて様々な法的手段を講じていきます。
場合によっては、民事訴訟の提起や債権者破産の申立てなど、より強力な法的措置を取ることも検討します。
専門家による返金交渉では、業者の法令違反や不当な行為を指摘し、返金に応じるよう圧力をかけていきます。
多くの場合、法的根拠を示しながら粘り強く交渉することで、一定の解決を見出すことが可能です。
なお、解決までの期間や返金の可能性は、事案によって大きく異なります。
しかし、諦めずに法的手段を尽くすことで、被害の回復につながるケースは少なくありません。
当事務所では、状況に応じた最適な解決策をご提案し、被害回復に向けて全力でサポートいたします。
競馬詐欺についてよくある質問(FAQ)
当事務所では、これまでに2000件以上の詐欺被害を解決してまいりました。
その経験から、競馬詐欺に関して特によくご質問いただく内容について、具体的にお答えしていきます。
Q. 競馬詐欺の損害賠償請求はいつまでできますか?
競馬詐欺被害の損害賠償請求権は、「損害及び加害者を知った時から3年」または「不法行為の時から20年」のいずれか早い方です(民法724条)。
被害に気づき加害者を特定できた時から3年間、または詐欺被害を受けた時から20年間のいずれか早い方が時効期間となります。
例えば、競馬予想サイトに騙されたことに1年後に気づいた場合、その時点から3年以内に請求する必要があります。ただし、早期発見が早期解決につながるので、怪しいと思ったらまずは専門家に相談してみましょう。
なお、時効が迫っているケースでも、様々な法的手段による解決の可能性がありますので、まずは専門家にご相談ください。
Q. 返金はどのくらい期待できますか?
返金率は案件によって大きく異なります。
業者の資産状況や、保全できる証拠の質と量によって変わってきます。
当事務所の実績として、適切な証拠が残っているケースで100%の返金率を達成しています。
ただし、これは過去の実績であり、すべての案件で同様の結果を保証するものではありません。
Q. 海外の業者による被害の場合はどうなりますか?
海外業者による被害の場合、解決はより複雑になります。
しかし、多くの場合、国内に関連会社や口座を持っているケースが多く、それらを突破口として解決できる可能性があります。
Q. 未成年者が被害に遭った場合はどうすればよいですか?
未成年者の場合、民法の未成年者取消権を行使できる可能性が高く、比較的解決がしやすい傾向にあります。
ただし、年齢を偽って契約した場合などは複雑な対応が必要になることもあります。
このような場合も、専門家に相談することで適切な解決方法を見出すことができます。
当事務所では、これらすべてのケースに対応できる体制を整えています。被害に遭われた方は、まずは無料相談をご利用ください。経験豊富な専門家が、最適な解決方法をご提案いたします。
まとめ:競馬を安全に楽しむために
競馬詐欺の被害は年々増加しており、その手口も巧妙化しています。
しかし、適切な知識と注意があれば、競馬を安全に楽しむことは可能です。
まず、情報源としては必ずJRA公式サイトや公認の競馬新聞などを活用しましょう。
SNSやウェブサイトで「必ず当たる」「絶対儲かる」といった情報には要注意です。また、JRAは一切の予想サービスを公認していないことを覚えておくことが重要です。
合法的な予想サービスを利用する場合は、会社概要が明確で、過度な的中をうたわない、後払い制度がないといった特徴を持つサイトを選びましょう。
特商法に基づく表記が明確なことも、信頼できるサービスの条件です。
そして最も重要なのが、リスク管理です。
競馬は投資ではなくギャンブルです。
決して借金をしてまで馬券を購入せず、余裕資金の範囲内で楽しむことを心がけましょう。
「負けを取り戻そう」という気持ちが詐欺被害の入り口となることも少なくありません。
安全な馬券購入はJRAの窓口やインターネット投票で行い、決して個人や業者を介した購入は行わないようにしましょう。
これらの基本的なルールを守ることで、競馬を健全な娯楽として楽しむことができます。
競馬予想サイトや情報商材について、少しでも不安や疑問を感じた場合は、すぐにご相談ください。
ライトストーン事務所では、24時間365日、競馬詐欺に関する無料相談を承っております。
早期の対応が、被害の防止や回復への近道となります。2000件を超える詐欺被害の解決実績を持つ専門家が、最適な解決方法をご提案いたします。
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